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顎関節症


①顎関節症とは

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 顎関節症は、頸椎捻挫や高次脳機能障害、低髄液圧症候群などの、独立した疾患とは異なり、顎関節付近に発生した症状を総じて「顎関節症」といいます。

 日本顎関節学会では顎関節症について、「顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節雑音、開口障害または顎関節運動異常を主徴候とする慢性疾患の総括的診断名であり、その病態には咀嚼筋障害、関節包・靭帯障害、関節円盤障害、変形性関節症などが含まれる」と定義しています。大まかに分類すると、

 ①口を開け閉めすると「ポキポキ」「カクカク」「ガリガリ」などの音が鳴る(聞こえる)

 ②口の開け閉めがし辛く、痛みを感じる場合がある

 ③顎付近が痛い

といった症状に当てはまると、顎関節症の疑いがあります。

 顎関節症の症状は顎の痛みだけに留まらず、肩こり、耳の奥の痛み、頭痛、手足のしびれ、眩暈、耳鳴りといった症状も合併する場合があり、これらの症状は、むちうちの症状と似ており、むちうちと診断され適切な治療がなされずに症状が悪化してしまう場合もあります。

 顎関節症には、確立した治療法が未だ存在せず、顎関節症用のマウスピースを使用した「スプリント療法」や、顎関節の関節円盤を正しい位置に戻す「マニピュレーション法」、関節の矯正などを行う「手術」といった治療法がとられますが、完治は難しいといわれています。

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②顎関節症の発症原因

 顎関節症の多くは、顎関節を形成する「関節円盤」の異常が原因であると考えられています。

 顎関節を大まかに解剖すると、頭蓋骨の側面にある下顎窩という凹部と、下顎骨の先端部分である下顎頭という凸部分が連結して成り立っています。この凹凸の間には、関節円盤という、クッションの様な部位が有り、この関節円盤が存在することで、顎をスムーズに動かすことができます。

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 関節円盤は前後にずれやすく、また後部が伸びやすい構造となっています。ですので、車内でバウンドしダッシュボードに下顎を打ち付ける、顎の側面を車体に打ち付けるなど、事故などの衝撃で、関節円板がずれ、また、後部が変形する等といった状態になると、顎関節症が発生してしまう可能性があるのです。

③裁判上ではどのような扱いとなるのか

 顎関節症は、後遺障害等級認定の世界では、「口」と「神経系統」の障害に分類され、自賠責法施行令別表2に従うと、下記表の通りとされています。

12級 局部に頑固な神経症状を残すもの
14級 局部に神経症状を残すもの

 裁判上では、下記に示すように、逸失利益につき争いが生じやすく、結果として、認められ辛く、また、認められたとしても、ある程度減少される印象を持ちます。

【事例1】

被害者について

事故で下顎打撲に起因する顎関節症が発症し、雑音、開閉口運動障害を遺すとして、自賠責12級の後遺障害等級認定を受けた、27歳、営業職の男性。

裁判所の判断

「職務上会話が不可欠であり 、雑音や痛みなどで会話に使用が生じるが、『将来的に支障がきわめて小さくなる』として、『10年間に亘り、労働能力を5%喪失した』」と逸失利益を認めた(大阪地裁平成10年12月14日)。


【事例2】

被害者について

右耳の違和感や痛みが顎関節症に起因するとして、自賠責14級9号の後遺障害を受けた、38歳、美容師の女性

裁判所の判断

労働能力喪失割合及び機関については、上記認定によれば、多角的所見に基づく本件認定をもとに『5%、12年間とするのが相当である』。この点、原告(被害者女性)は、陳述書において、美容師業務における様々な支障について樓々供述するが、本件認定がなされた『顎関節自体は有病率が比較的高い症状である』うえ、労働能力に与える影響についても『14級9号と認定がなされるべき他の症状と比べて特に異なるとは認めがたい』とした(徳島地裁平成23年12月8日)。

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